三浦 美和子

さまざまな記事

「諦めずにずっとやる」 

2019年、パレスチナにある学校で子どもたちと一緒に絵を描いたときの様子(清末愛砂さん提供)。右端が清末さん  初めてイスラエルという国を知ったのは小学生のころです。教科書に載っていた「死海」のある国。そこにはゆったりと海に浮かんで読書する...
生活保護の記事

当事者の本当の孤独

〈私はほんとうに、保護課にけんかを売りたいわけではないです。保護課から目をつけられるようなことだけは絶対にしたくない〉  秋田市で起きている生活保護費返還問題の当事者であるAさんから、こんなメッセージが届きました。10月30日午後6時過ぎの...
ジェンダー

私たちはここにいる

「LGBTQ」という言葉をさまざまな場で目にするようになりました。著名な当事者の講演を自治体が主催することも、最近は珍しくありません。LGBTQという言葉を知る人は、秋田県内でも確実に増えていると感じます。 その一方、誤った情報に基づく当事...
生活保護の記事

「きっと私だけではない」

「自分は生きていていいのか」  秋田で記者をしてきて、この言葉をこれほど何度も聞いたことはありません。この1年、出会う人、出会う人が「自分は生きていていいのか」「自分さえいなければ」と言うのです。その誰もが、精神障害があり、生活保護を利用し...
ジェンダー

避難所の生理用品が足りないのは、なぜ

生理といえば思い出すのは、体育の時間です。私の中学時代(1990年前後)、女子の体操着はブルマーでした。ブルマーになるたび、下着がはみ出していないか気が気ではなく、周囲の視線が気になりました。私の周りの女子はみんな、体形や肌があらわになるブ...
生活保護の記事

秋田県知事 秋田市長に「気持ちを温かくして対応を」 障害者加算の返還問題

秋田市で起きている障害者加算の返還問題について、秋田県の佐竹敬久知事が10月2日の県議会で初めて言及し「秋田市長には、気持ちを温かくして」対応してほしいと伝えている、と発言しました。秋田県知事から穂積志・秋田市長に「寄り添った対応」を求める...
生活保護の記事

「こんなことがあっていいのですか」

「生活保護費の支給まであと1週間もあるのに、1000円しかない」  9月27日、一人の女性が秋田市の民間団体「秋田生活と健康を守る会」の事務所を訪れ、そう話しました。相談に対応した後藤和夫会長によると、女性は泣いていました。  その前日の9...
生活保護の記事

もし、自分だったなら

7割の人が返還金あり、額は多い世帯で約98万円――傍聴していて耳を疑いました。秋田市が長年、精神障害のある生活保護世帯に「障害者加算」を誤って支給し、約120人が過去の分の返還(返済)を市から求められている問題について、9月19日の市議会厚...
生活保護の記事

秋田市、返還金を見直す可能性も

秋田市が長年、精神障害のある生活保護世帯に「障害者加算」を誤って支給し、約120人が過去の分の返還(返済)を市から求められている問題について、秋田市が返還を見直す可能性が出てきました。  秋田市は9月13日、秋田市議会の一般質問で「返還金の...
さまざまな記事

私らしく生活していきたい

住み慣れた地域で暮らし続けたい、というAさんの願いが叶いました。  脊髄損傷による麻痺があり、支援事業者の介護を受けながら一人暮らしをしている秋田市のAさんの介護時間について、市はAさんが希望していた「24時間」とすることを決定しました。9...
ジェンダー

女性議員のいないまちで

最近、秋田県内の男性議員Aさんと話しました。  Aさんが住むまちでは、ある公共事業が進められようとしています。Aさんはこの事業に「個人的には反対」。けれどAさんのいる派閥が賛成しているので、やむなく賛成に回っています。  まちの財政状況を考...
生活保護の記事

ただ、生活していただけで

〈50万8068円を返還してください〉  7月下旬、生活保護を受給している秋田市の女性のもとに、こう書かれた通知が届きました。差出人は秋田市福祉事務所長。〈生活保護法第63条の規定に基づく費用返還額決定通知書〉というタイトルでした。 秋田市...
生活保護の記事

地方の声に、どうこたえるのか

〈今晩は少し風が吹いていますね。部屋はとても暑いので脱出して、竿燈の音を聞きながらスーパーへ行って涼んでいるところです〉  8月5日夜、秋田市のAさんからメッセージが届きました。  官庁街へ続く大通りで、4日間にわたり開かれる夏の伝統行事「...
さまざまな記事

この暮らしを守りたい

「母は、私には施設に入ってほしくない、という考えを持っていました。母が生きているうちに、一人で生活できているところを見せたいなという思いもあって、一人暮らしを選択しました」  秋田市に住むAさんの声です。Aさんは脊髄損傷による麻痺のため、胸...
生活保護の記事

一本の電話

2023年夏、一本の電話を受けました。以前取材でお世話になったAさんからでした。互いに近況を話し合った後、Aさんがこう切り出しました。「実は自分は、生活保護を受けているんですが、障害者加算というのを止められることになって。秋田市のミスらしい...
ジェンダー

女子と男子の開きは68年

〈県人寮の67%が男子専用 深刻な男女格差〉というタイトルの記事をSNSで目にしました。  「県人寮」は、地方から首都圏の大学に進学した学生を受け入れる寮。道府県の育英会が運営している例が多く、地元出身の学生のみが入居できます。ここに深刻な...
コラム

これ以上、奪わないで

DV被害当事者を支援している民間団体の講座に参加しています。講座の前半を終えて思ったのは、絶えず「新しい言葉」を得ていかなければいけない、ということでした。誰かを傷つけないために。〈※このコラムの1、2には、性暴力に関する記述があります〉 ...
ジェンダー

あなたは、なぜ名乗らずにいられるのか

地方紙の記者だった数年前、原稿に書くのをためらった言葉がありました。「シスジェンダー」と「ヘテロセクシュアル」です。広く知られた言葉ではないから――という理由でした。  「性的マイノリティ」「LGBT」という言葉を書く機会は年々増えていった...
生活保護の記事

この不安は、市民全体の不安でもある

6月18日、秋田市議会本会議の一般質問が行われ、2人の議員が生活保護費の返還問題について市側の方針を問いました。「生活保護利用者に返還(返済)を求めないことはできないのか」「当事者を追い詰めているのではないか」。2氏は質問を重ねましたが、秋...
ジェンダー

「虎に翼」ーわたしたちの物語に出会えた

なぜ、こんなに心を動かされるのだろう。NHKの連続テレビ小説「虎に翼」を見るたびに考えていました。これまで好きなドラマに抱いたものとは異なる感覚が湧いてきます。それは「味方になってくれている」という心強さのようなものです。  そう感じている...
コラム

女性は道具ではない 

「若い女性の定着が重要」「若い女性の定着回帰を目指す」—。人口減少への対策としてこのような言葉を見聞きするたび、違う、そうじゃない、と強く思ってきました。6月5日、厚生労働省が2023年の人口動態統計を発表し、秋田県は出生数が「ワースト」と...
ジェンダー

同性カップルの続柄 現時点では「同居人」のまま 秋田市と潟上市

長崎県大村市が男性同士のカップルに交付した住民票の続柄に、事実婚関係の異性カップルに用いられる「夫(未届)」と記載していたことが5月27日にニュースになりました。家族として暮らしていても、同性カップルはこれまで「同居人」と記載されてきました...
生活保護の記事

メンツか、人権か

秋田市が生活保護費の障害者加算を長年過大に支給し、精神障害のある生活保護利用者117世帯(120人)が障害者加算を取り消されたうえ過去5年間に受け取った障害者加算の返還を市から求められている問題で、当事者の一人であるAさんが実は誤って加算を...
生活保護の記事

「0円決定」の陰で 新たに生じる格差

長年にわたる役所のミスで過大に支給されてきた生活保護費の「障害者加算」を、精神障害のある生活保護利用者が返還(返済)しなければならない。役所から示された返還額は多い人で約149万円—。  秋田県秋田市で2023年5月にこのような問題が発覚し...
ジェンダー

「2人が幸せなら」を超えた日

「結婚に対する考え方が、若い時とはずいぶん変わりました」。仙台市に住む小浜耕治さん(61)はこう語ります。  小浜さんには男性のパートナー(79)がいます。出会ったころは「一緒に暮らせるだけで幸せ」と思っていました。しかしその思いは、年を重...
ジェンダー

性的マイノリティが地方で働くということ

地方で暮らす性的マイノリティは、就職活動や職場でどのような困難に直面しているのか。東北でのアンケート調査を基に考えるオンラインイベントが4月13日に行われました。調査から浮かび上がったのは、「男女」の性別二元論や異性愛を前提としたルールがあ...
生活保護の記事

「間違いではありません」

5カ月間、生活保護の「障害者加算」(障害があることによって余計にかかる生活費を補うため支給されるお金)を誤って止められていた秋田市のAさん。その原因は、秋田市が把握していたAさんの「初診日」が誤っていたことにありました。(詳しい記事はこちら...
生活保護の記事

初診日に振り回される

秋田市で起きた生活保護費(障害者加算)の返還問題は一進一退の状況です。(最新のニュースはこちら) ミスに対応する中で、新たなミスまで発覚しています。 取材して見えてきたのは、精神障害への差別ともいえる国のルールです。 障害者加算を受け取れる...
生活保護の記事

返還額「0円」に 秋田市、当事者の一部に救済策 

秋田市の生活保護費問題が大きく動きました。 精神障害のある生活保護利用者に市が28年間にわたって障害者加算を誤って支給し、過去5年分の障害者加算を当事者に返すよう求めていた問題で、秋田市が複数の当事者の返還額を0円にしたことが判明しました。...
コラム

「観光レディー」もうやめませんか

2月29日、秋田市の市政だより「広報あきた」が自宅に届きました。  表紙には「ミルハス」という秋田最大の芸術劇場で映画祭がある、という告知が載っていました。いろんな俳優や監督が秋田に来るんだな…と思いながらページをめくり、こんな募集記事が目...
コラム

「体冷やすと、子どもを産めなくなるよ」

秋田の冬はとにかく寒い。「体冷やさないようにしないと。子ども産めなくなるよ」。10代から20代にかけて、そういう言葉を何度もかけられた。記憶があいまいではっきりとは言えないが、1976年生まれの私が中高生くらいの時にはもう耳に入っていたよう...
生活保護の記事

1万6620円の重み

この記事のタイトルをどうするかで少し、悩みました。 精神障害があり、生活保護を利用している当事者の一人が話した「1万6620円というお金の重さ」をタイトルにするか。それとも「カピバラの湯っこと市長の謝罪」にするか。「カピバラの湯っこと市長の...
ジェンダー

「痛みを失ったら終わり」 議員になって、見えたこと

先日、ある研究者に「秋田県は女性の人口流出がとても多く、研究者の間で非常に注目されている」と聞きました。そんな秋田で1月、県議会や市町村議会の女性たちがつながり「秋田県女性議員ネットワーク」を立ち上げました。  秋田県の全議員(県議と市町村...
生活保護の記事

本当に8100万円? 秋田市の「返還請求」に3つの疑問

分かりにくい制度のなかで、ひっそり事が進み、弱い立場の人の暮らしがいつの間にか、ますます困難になっている。ほとんど関心を持たれないままに。今回の記事は、そのような現実について書きました。  秋田市で起きた生活保護費の「障害者加算」の支給ミス...
生活保護の記事

どちらの人も救われるには

この記事で伝えたいこと  なぜ一人は救われ、もう一人は救われないのか。 生活保護の現場で、国の決めた「ルール」が矛盾を生んでいます。それは、精神障害への差別ともとれるようなルールです。 このルールに対して、生活保護の利用者だけでなく地方自治...
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