人権

生活保護の記事

「こんなことは不毛だ」――秋田市のある医師の声 

月8万円ほどの生活費が突然、2割も減らされる。そこへ追い打ちをかけるように、多額の「借金」を突き付けられる――。秋田市で起きた生活保護費の「障害者加算」(障害があることで生じる生活の困難を補うために支給されるお金。額は月に約1万6000円〜...
ジェンダー

若い女性へのまなざし

ふと思い立ち、秋田県議会の会議録検索システムに「若い女性」「若年女性」とキーワードを入れて検索してみました。人口減少や少子化対策の議論の中で、果たして「若い女性」がどのような存在として見られ、語られているのか、知りたいと思いました。 期間は...
ジェンダー

妊娠や人口を語る前に 日本版プレコンセプションケアの危うさ

女性は、子どもを産むために存在していると言いたいのだろうか? こう考え込まされる言葉に出会いました。「日本版プレコンセプションケア」(略してプレコン)という言葉です。 日本におけるプレコンは一言でいうと「女性やカップルに、将来の妊娠を考えて...
さまざまな記事

「諦めずにずっとやる」 

2019年、パレスチナにある学校で子どもたちと一緒に絵を描いたときの様子(清末愛砂さん提供)。右端が清末さん 初めてイスラエルという国を知ったのは小学生のころです。教科書に載っていた「死海」のある国。そこにはゆったりと海に浮かんで読書する人...
生活保護の記事

当事者の本当の孤独

〈私はほんとうに、保護課にけんかを売りたいわけではないです。保護課から目をつけられるようなことだけは絶対にしたくない〉 秋田市で起きている生活保護費返還問題の当事者であるAさんから、こんなメッセージが届きました。10月30日午後6時過ぎのこ...
ジェンダー

私たちはここにいる

「LGBTQ」という言葉をさまざまな場で目にするようになりました。著名な当事者の講演を自治体が主催することも、最近は珍しくありません。LGBTQという言葉を知る人は、秋田県内でも確実に増えていると感じます。 その一方、誤った情報に基づく当事...
生活保護の記事

「きっと私だけではない」

「自分は生きていていいのか」  秋田で記者をしてきて、この言葉をこれほど何度も聞いたことはありません。この1年、出会う人、出会う人が「自分は生きていていいのか」「自分さえいなければ」と言うのです。その誰もが、精神障害があり、生活保護を利用し...
ジェンダー

避難所の生理用品が足りないのは、なぜ

生理といえば思い出すのは、体育の時間です。私の中学時代(1990年前後)、女子の体操着はブルマーでした。ブルマーになるたび、下着がはみ出していないか気が気ではなく、周囲の視線が気になりました。私の周りの女子はみんな、体形や肌があらわになるブ...
生活保護の記事

秋田県知事 秋田市長に「気持ちを温かくして対応を」 障害者加算の返還問題

秋田市で起きている障害者加算の返還問題について、秋田県の佐竹敬久知事が10月2日の県議会で初めて言及し「秋田市長には、気持ちを温かくして」対応してほしいと伝えている、と発言しました。秋田県知事から穂積志・秋田市長に「寄り添った対応」を求める...
生活保護の記事

「こんなことがあっていいのですか」

「生活保護費の支給まであと1週間もあるのに、1000円しかない」 9月27日、一人の女性が秋田市の民間団体「秋田生活と健康を守る会」の事務所を訪れ、そう話しました。相談に対応した後藤和夫会長によると、女性は泣いていました。 その前日の9月2...
生活保護の記事

もし、自分だったなら

7割の人が返還金あり、額は多い世帯で約98万円――傍聴していて耳を疑いました。秋田市が長年、精神障害のある生活保護世帯に「障害者加算」を誤って支給し、約120人が過去の分の返還(返済)を市から求められている問題について、9月19日の市議会厚...
生活保護の記事

秋田市、返還金を見直す可能性も

秋田市が長年、精神障害のある生活保護世帯に「障害者加算」を誤って支給し、約120人が過去の分の返還(返済)を市から求められている問題について、秋田市が返還を見直す可能性が出てきました。 秋田市は9月13日、秋田市議会の一般質問で「返還金の再...
さまざまな記事

私らしく生活していきたい

住み慣れた地域で暮らし続けたい、というAさんの願いが叶いました。 脊髄損傷による麻痺があり、支援事業者の介護を受けながら一人暮らしをしている秋田市のAさんの介護時間について、市はAさんが希望していた「24時間」とすることを決定しました。9月...
さまざまな記事

この暮らしを守りたい

「母は、私には施設に入ってほしくない、という考えを持っていました。母が生きているうちに、一人で生活できているところを見せたいなという思いもあって、一人暮らしを選択しました」 秋田市に住むAさんの声です。Aさんは脊髄損傷による麻痺のため、胸部...
生活保護の記事

一本の電話

2023年夏、一本の電話を受けました。以前取材でお世話になったAさんからでした。互いに近況を話し合った後、Aさんがこう切り出しました。「実は自分は、生活保護を受けているんですが、障害者加算というのを止められることになって。秋田市のミスらしい...
ジェンダー

あなたは、なぜ名乗らずにいられるのか

地方紙の記者だった数年前、原稿に書くのをためらった言葉がありました。「シスジェンダー」と「ヘテロセクシュアル」です。広く知られた言葉ではないから――という理由でした。 「性的マイノリティ」「LGBT」という言葉を書く機会は年々増えていったの...
生活保護の記事

この不安は、市民全体の不安でもある

6月18日、秋田市議会本会議の一般質問が行われ、2人の議員が生活保護費の返還問題について市側の方針を問いました。「生活保護利用者に返還(返済)を求めないことはできないのか」「当事者を追い詰めているのではないか」。2氏は質問を重ねましたが、秋...
ジェンダー

「虎に翼」ーわたしたちの物語に出会えた

なぜ、こんなに心を動かされるのだろう。NHKの連続テレビ小説「虎に翼」を見るたびに考えていました。これまで好きなドラマに抱いたものとは異なる感覚が湧いてきます。それは「味方になってくれている」という心強さのようなものです。 そう感じているの...
コラム

女性は道具ではない 

「若い女性の定着が重要」「若い女性の定着回帰を目指す」—。人口減少への対策としてこのような言葉を見聞きするたび、違う、そうじゃない、と強く思ってきました。6月5日、厚生労働省が2023年の人口動態統計を発表し、秋田県は出生数が「ワースト」と...
生活保護の記事

メンツか、人権か

秋田市が生活保護費の障害者加算を長年過大に支給し、精神障害のある生活保護利用者117世帯(120人)が障害者加算を取り消されたうえ過去5年間に受け取った障害者加算の返還を市から求められている問題で、当事者の一人であるAさんが実は誤って加算を...
ジェンダー

「2人が幸せなら」を超えた日

「結婚に対する考え方が、若い時とはずいぶん変わりました」。仙台市に住む小浜耕治さん(61)はこう語ります。 小浜さんには男性のパートナー(79)がいます。出会ったころは「一緒に暮らせるだけで幸せ」と思っていました。しかしその思いは、年を重ね...
ジェンダー

性的マイノリティが地方で働くということ

地方で暮らす性的マイノリティは、就職活動や職場でどのような困難に直面しているのか。東北でのアンケート調査を基に考えるオンラインイベントが4月13日に行われました。調査から浮かび上がったのは、「男女」の性別二元論や異性愛を前提としたルールがあ...
生活保護の記事

「間違いではありません」

5カ月間、生活保護の「障害者加算」(障害があることによって余計にかかる生活費を補うため支給されるお金)を誤って止められていた秋田市のAさん。その原因は、秋田市が把握していたAさんの「初診日」が誤っていたことにありました。(詳しい記事はこちら...
コラム

「観光レディー」もうやめませんか

2月29日、秋田市の市政だより「広報あきた」が自宅に届きました。 表紙には「ミルハス」という秋田最大の芸術劇場で映画祭がある、という告知が載っていました。いろんな俳優や監督が秋田に来るんだな…と思いながらページをめくり、こんな募集記事が目に...
コラム

「体冷やすと、子どもを産めなくなるよ」

秋田の冬はとにかく寒い。「体冷やさないようにしないと。子ども産めなくなるよ」。10代から20代にかけて、そういう言葉を何度もかけられた。記憶があいまいではっきりとは言えないが、1976年生まれの私が中高生くらいの時にはもう耳に入っていたよう...
生活保護の記事

本当に8100万円? 秋田市の「返還請求」に3つの疑問

分かりにくい制度のなかで、ひっそり事が進み、弱い立場の人の暮らしがいつの間にか、ますます困難になっている。ほとんど関心を持たれないままに。今回の記事は、そのような現実について書きました。 秋田市で起きた生活保護費の「障害者加算」の支給ミスを...
ジェンダー

マイノリティの声に、耳をすます 3

生まれたときに割り当てられた性別とは、異なる性自認を生きる「トランスジェンダー」。その人権を傷つけるような言説がSNSを中心に起きています。たとえば秋田県内では、一部の議員がトランスジェンダー女性への偏見につながるような発信をSNSなどで繰...
ジェンダー

マイノリティの声に、耳をすます 2

生まれたときに割り当てられた性別とは、異なる性を生きる「トランスジェンダー」。その人権を傷つけるような言説がSNSを中心に起きています。たとえば秋田県内では、一部の議員がトランスジェンダー女性への偏見につながるような発信をSNSなどで繰り返...
ジェンダー

マイノリティの声に、耳をすます 1

生まれたときに割り当てられた性別とは、異なる性を生きる「トランスジェンダー」。その人権を傷つけるような言説がSNSを中心に起きています。たとえば秋田県内では、一部の議員がトランスジェンダーの女性への偏見につながるような発信をSNSなどで繰り...
さまざまな記事

「睡眠薬をお守りに、学校へ向かう」 ある小学校の先生の声

今年の初め、ある小学校の先生にお会いしました。仮にA先生と呼びます。  ベテラン教員のA先生は8年前、うつ病と診断され、現在も通院して投薬治療を受けながら高学年の学級担任をしています。体調がすぐれないときは、職場に迷惑がかからない長期休みに...
ジェンダー

秋田の女性はアクセスできない――「経口中絶薬」承認から考える

「中絶するには、手術でかき出すしかない」。私は長く、そう思い込んでいました。しかしそれは日本国内の話であって、世界では「飲み薬」によって妊娠を終わらせる方法が主流となっており、WHO(世界保健機関)も推奨しているということを最近、知りました...
コラム

「宗教右派とフェミニズム」 記者として、自分がスルーしてきたこと

20年ほど地方紙で記者をし、その間に取材したこと、目にした事象のひとつひとつの背景に、私は目を凝らしていただろうか。発表されたもの、見聞きしたことの表層を書いていたのではないか。 「宗教右派とフェミニズム」(山口智美/斉藤正美 著)を読み進...
さまざまな記事

「自分の体は自分のもの」 違憲判断、秋田県内の当事者の思いは

また一つ、司法による歴史的な判断が出された。最高裁判所大法廷は10月25日、戸籍の性別の変更を望むトランスジェンダーに対して生殖能力をなくす手術を課す性同一性障害特例法(特例法)の規定について、違憲との判断を示した。特例法の施行から19年。...
ジェンダー

リアルで会うことが抵抗のかたち 秋田市で「トランスジェンダーと話す会」

「トランスジェンダーと話してみませんか?」というワークショップが10月中旬、秋田市で行われた。SNSなどでトランスジェンダー(出生時に割り当てられた性別とは異なる性を生きる人)への誹謗中傷があるなか、「当事者がどのような生きづらさを感じてい...
さまざまな記事

デマを基に市議が一般質問 秋田県にかほ市 「差別する意図はなかった」

秋田県にかほ市の市議会議員が6月8日の市議会で、SNS上に流布した虚偽情報(デマ)を基に一般質問をしていたことが判明した。 デマは、埼玉県が設置の検討を進めている「オールジェンダートイレ」に関するもので、LGBT理解増進法の法制化について議...
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